
福島県の行政書士、佐藤勇太です。
太陽光発電設備の名義変更などの事業計画変更手続を進めようとすると、必要になるのが「設備ID」と「事業者ID」です。しかし、相続や売買で設備を取得した方の中には、これらのIDがどこにも見当たらず、手続きの入り口で止まってしまうケースが少なくありません。
特に、旧所有者が管理していた資料が引き継がれていない場合や、設置工事を依頼した施工業者がすでに廃業している場合には、どこから手をつければよいのか分からず時間だけが過ぎてしまいがちです。
この記事では、太陽光発電設備の設備IDと事業者IDがわからないときの確認方法について解説します。皆様の名義変更手続きの円滑な進行にお役立ていただければ幸いです。
目次
太陽光発電の手続きに必要なIDの種類
太陽光発電設備の各種手続きでは、主に次のIDが使われます。複数のIDがあり、混同しやすいので気をつけなければなりません。以下はIDの名称および主な役割と使いみちです。
| IDの名称 | 主な役割と用途 |
|---|---|
| 設備ID | 認定された発電設備ごとに割り振られる識別番号
事業計画の変更手続や電子申請システム上で設備を特定する際に必要 |
| 事業者ID(設置者ID) | 認定を受けている発電事業者に割り振られるID
設備情報の閲覧、事業者の連絡先変更、定期報告、設備の登録者変更などに使用 |
| 登録者ID | 電子申請システムで新規登録することで取得できるID
認定申請、変更認定申請、変更届出などの入力・提出は、原則としてこのIDで行う |
このうち、相続や売買で設備を取得した直後にわからず困りやすいのが「設備ID」と「事業者ID」です。名称が似ている「登録者ID」「設置者ID」と混同しやすいため、まずはご自身が何のIDを探しているのかを整理したうえで、以下の確認方法を参照してください。
設備IDがわからないときの確認方法
設備IDは、「電力会社から届く書類を確認する方法」と、「電子申請システムの『設備ID照会』を利用する方法」によって確認できます。
電力会社から届く書類を確認する方法
設備の設置時に届く「電力受給契約のお知らせ」や、固定価格買取期間の満了が近づいた際に届く「買取期間満了のご案内」などには、設備IDが記載されている場合があります。旧所有者が保管していた書類が手元にある場合は、まずこれらを確認しましょう。
書類が見当たらない場合は、契約している電力会社に「太陽光発電設備の名義変更をしたいので設備IDを確認したい」と伝えて問い合わせる方法があります。
本人確認の方法や設備IDの回答方法は電力会社によって異なります。電話口では回答されず、「電力受給契約のお知らせ」等の書類の再発行や郵送による対応となる場合があります。詳しくは、契約している電力会社に確認してください。
電子申請システムの設備ID照会を利用する方法
もう1つの方法が、再生可能エネルギー電子申請システムの「設備ID照会」を利用する方法です。認定中の事業者名と、発電設備の設置場所の代表地番・郵便番号などを入力することで、設備IDを照会できます。
ただし、入力する事業者名や設置場所は、認定情報として登録されている内容と完全に一致している必要があります。全角・半角の別、法人名の表記、住所の「大字」「字」「丁目」「番地」が少しでも異なっている場合は、設備IDを照会できないこともありますので注意が必要です。
この方法は、旧所有者と連絡が取れない場合でも、認定情報と一致する事業者名、設置場所の郵便番号および代表地番がわかれば照会できる点が特徴です。そのため、相続・競売等で旧所有者との接点が乏しいケースでは特に有用な方法です。
事業者IDがわからないときの確認方法
事業者IDがわからない場合も、再生可能エネルギー電子申請システムの照会機能を利用して確認することができます。なお、この照会手続は、電子申請システムへのログインに使用する登録者IDやパスワードの照会も兼ねています。ここでは、照会の流れと、その際に必要となる書類について順番に解説します。
ログインID・パスワードの照会方法
まず、ログインIDが判明しており、システムに登録されているメールアドレスを利用できる場合は、パスワード再発行の手続きを行うことで、登録済みのメールアドレスに再設定のための案内が送られます。
ログインID自体が不明な場合、登録したメールアドレスが不明な場合、再発行メールが届かない場合など、通常のパスワード再発行で解決できないときは、ログインID・パスワードの照会手続に進みます。
照会するIDの種類、設備ID、連絡用メールアドレスを入力すると、照会用のURLが記載された「仮認証メール」と、確認コードが記載された「確認コードメール」の2通が別々に届きます。両方のメールを確認し、URL先の画面で確認コードを入力することで、照会手続きを進めます。
必要書類とGビズIDについての注意点
照会手続では、照会するIDの種類、照会者と認定事業者との関係、個人・法人の別などに応じて、本人確認書類、委任状、印鑑証明書、戸籍謄本、売買契約書、土地・建物の登記事項証明書などの提出が必要となる場合があります。
行政書士等の代行者が照会を行う場合も、必要書類は一律ではありません。委任状や印鑑証明書のほか、相続や売買など照会の原因に応じた書類を求められることがあります。この点は、事業者名と設置場所等を入力して行う設備ID照会とは異なる点として押さえておきましょう。
また、50kW以上の太陽光発電設備などについて電子申請を行う場合は、再生可能エネルギー電子申請システムのログインID・パスワードとは別に、「GビズIDプライム」または「GビズIDメンバー」による認証が必要となる手続があります。
実際の事業計画変更手続では、設備の出力や申請区分に応じてGビズID認証が必要となる場合があるため、ログインID・パスワードだけでなく、GビズIDの認証情報が有効かどうかも併せて確認しておく必要があります。
相続・売買等で旧所有者と連絡が取れない場合の注意点
設備IDについては、電力会社への問い合わせや電子申請システムの設備ID照会により、旧所有者と連絡が取れなくても確認できる場合があります。事業者IDについても、相続人や太陽光発電設備の購入者・譲受人が自ら行うことのできる照会手続が用意されています。
- 相続の場合:
相続する方の本人確認書類や、相続関係を確認できる戸籍謄本、土地・建物の登記事項証明書などを用いて、相続人自身がIDとパスワードの照会手続きを進める形になります。 - 売買・譲渡の場合:
売買契約書や土地・建物の登記事項証明書などを提示することで、購入者や譲受人が照会できる場合があります。
ただし、認定情報と契約書・登記情報が一致していない場合や、設備の権利関係を示す資料が不足している場合には、手続きが難航したり、旧所有者の協力が必要になったりすることがあります。
そのため売買・譲渡の場合は、契約締結前の段階で、設備ID・事業者ID・登録メールアドレスをはじめとする電子申請システムの登録情報を確実に引き継いでもらう取り決めをしておくことが重要です。
太陽光発電設備の設置工事を依頼した施工業者が、その流れで事業計画認定の手続きも代行していた場合、事業者ID等の情報を施工業者側の担当者が管理しているケースがあります。契約時の窓口も併せて確認しておくと安心です。
通常の確認方法では対応が難しいときの相談窓口
施工業者がすでに廃業している、旧所有者と疎遠になっているなど、どうしても情報が追えない場合は、対象設備の区分に応じた問い合わせ窓口に確認する方法があります。
- 50kW未満の太陽光発電設備:JPEA代行申請センター
- 50kW以上の太陽光発電設備:所管の経済産業局
- 制度全般に関する相談:資源エネルギー庁のFIT・FIP制度問い合わせ窓口
いずれの場合も提出書類の準備や手続きに時間を要するため、早めに準備を進めておくことが望ましいといえます。
IDの確認から名義変更までを専門家に依頼するメリット
設備IDと事業者IDの確認は、名義変更手続きの入り口にすぎません。ID確認後も、必要書類の準備や電子申請システムへの入力、申請区分の判断など、専門知識を要する作業が続きます。
IDの照会方法を誤ると、IDの確認までに時間がかかり、その後の名義変更申請全体のスケジュールにも影響します。ご自身で照会を試みたものの、確認コードの入力手順やメールの見落としなどでつまずき、途中から依頼を検討される事業者の方も少なくありません。
太陽光発電設備の名義変更でお困りの方へ
最後までお読みいただきありがとうございました。
設備IDと事業者IDは、太陽光発電設備の名義変更を進める際に、まず確認しておきたい重要な情報です。しかし、名称の似たIDが複数存在するために混同しやすく、確認方法も状況によって異なります。
設備IDは電力会社への問い合わせや電子申請システムの設備ID照会で比較的確認しやすい一方、事業者IDや登録者IDは本人確認や権利関係を確認する手続きを経る必要があるため、旧所有者との関係や手元にある資料によっては時間がかかる点に注意が必要です。
当事務所では、設備ID・事業者IDの確認から、事業計画の変更手続の代行まで、一連の手続きを一括してサポートしております。IDがわからず手続きの入り口で止まってしまっている事業者の方は、 太陽光発電設備の名義変更手続きを行政書士が代行(ここをクリック)のページをご覧ください。




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